トライアスロン部『なぜ私は大学から、最も過酷なスポーツを選んだのか?――第1戦・七ヶ浜大会』
『なぜ私は大学から、最も過酷なスポーツを選んだのか?――第1戦・七ヶ浜大会』
「何か新しいことに、本気で挑戦してみたい」そんな熱い気持ちだけで未経験のトビラを叩いた1年生のデビュー戦。しかし、待っていたのはプールの練習とは180度違う、大自然の「洗礼」と圧倒的な絶望でした。
【今回のチャレンジャー】
現代武道学科1年の佐藤陽生(さとう はるき)さん。大学入学を機に、未経験ながらトライアスロン部に入部した。「きつくて、自分を限界まで追い込めるスポーツがしたい」。そんな思いから飛び込んだ新たな世界で、何を感じ、何を学んだのか。全4回にわたり、初心者として挑んだ大会での葛藤や失敗、そして成長の軌跡を、本人の言葉でお届けします。
~ お詫び ~
初レースの七ヶ浜、実は写真を撮る余裕が1秒もなかったそうです……。
先輩の話を頼りに、大体のイメージだけで臨んだデビュー戦。会場の雰囲気に圧倒され、自分の準備だけで頭が真っ白。スマホを取り出すことすら忘れて挑んだ、リアルなパニックの様子を文字でお届けします!
葛藤と絶望のデビュー戦
「大学から、何か新しいことに本気で挑戦してみたい」そう思って私が選んだのは、スポーツの中で最も過酷と言われる『トライアスロン』でした。理由はシンプル。「きつくて、自分を限界まで追い込めるスポーツがしたかったから」。新たな環境で新しい挑戦をして、さらに自分を成長させたい。そんな熱い気持ちだけで、未経験のトビラを叩きました。
練習を積み重ねて迎えたデビュー戦。七ヶ浜で行われた「国際トライアスロン仙台ベイ七ヶ浜大会」です。
会場に着いた瞬間、まず圧倒されました。
周りを見渡せば、真っ黒に日焼けして極限まで絞り上げられた強者ばかり。さらに、何十万、何百万もするようなモンスターマシン(バイク)が並んでいて、完全に腰が引けてしまいました。砂浜で自分のスタートを待つ間は、早く始まってほしいワクワクと、逃げ出したいほどの不安が入り混じっていました。
「パーン!」
合図の音と同時に、大混雑の中で海へと飛び込みました。
しかし、泳ぎ出してすぐに「ヤバい」と気づきます。今まで練習していたプールとは、文字通り次元が違いました。
当たり前ですが、海はしょっぱい。底が見えなくて怖い。波がある。
いつもの倍のスピードで体力が削られていき、すぐに息が切れました。たった700mが、とてつもなく長く感じます。自分が今どこにいるのかを把握しながら泳ぐのが、何よりも苦痛でした。
なんとかスイムを上がり、トランジション(着替え)へ。
ですが初めての経験に焦ってしまい、もたついて大きなタイムロス。続くバイク(自転車)は、3種目の中では一番マシに感じられ、下り坂を上手く利用して足を休ませつつ、落車もなくクリア。しかし、本当の地獄はここからでした。
最後のラン(長距離走)。
走り出した瞬間、「足が、動かない」。
普段のランニングとは全く違い、足に鉛が詰まったように重いのです。ペースを上げたくても上げられないもどかしさ。給水ポイントで水をもらい、少し走っていると、今度は脇腹がじわじわと痛み出しました。
特にラストスパートの場面では、一歩走るごとの振動すら激痛に変わります。それでも「絶対にゴールしてやる」という意地だけで足を前に進め、なんとか、なんとかフィニッシュラインにたどり着きました。
ゴールした瞬間の正直な感想は、達成感よりもこれでした。
「……嘘だろ。このきつさで、一番短い距離(スプリント)なのか?」
このレベルで、この先もっと長いスタンダードディスタンスを完走できるのかと、本気で恐怖し、不安になりました。
だけど、挑戦しなければ、この「本気の悔しさ」も「自分の弱さ」も知ることはできませんでした。このレースのおかげで、実際のレースの流れやコツを肌で掴むことができ、自分が圧倒的にスタミナ不足であるという課題も明確に分かりました。
「もっと強くなりたい。練習内容をガラッと変えてみよう」
大学で新しいことにチャレンジする意味。それは、「自分の現在地(弱さ)を知り、それを乗り越えていく圧倒的な成長痛を楽しめること」だと思います。
(続く:次回は②いわき大会編!人生初のスタンダードディスタンスに挑みます!)
今回の学び: 自分の現在地(弱さ)を知り、成長痛を楽しむ覚悟。
次回予告: 次回、距離が倍になる「人生初のスタンダード」に挑戦。そこで待ち受けていた、トラブルのフルコースとは!?